スーパーウォールリフォーム工法で2階建てを平屋に減築 高性能フルリノベーション(その1 施工方法編)
施工例名 |
スーパーウォールリフォーム工法で2階建てを平屋に減築 高性能フルリノベーション(その1 施工方法編) |
施工現場 |
千葉県市川市 |
工期 |
3ケ月 |
工法 |
スーパーウォールリフォーム工法(壁内断熱仕様) 壁断熱材(硬質ウレタンフォーム):85mm厚 床断熱材(フェノールフォーム):ネオマフォーム60mm厚 天井断熱材(グラスウール系):ブローイング工法300mm厚 サッシ:リクシル サーモスL(一般複層ガラス+Low―eペアガラス) 換気設備:三菱電機 Jファンロスナイミニ(熱交換型) |
Ua値(外皮平均熱貫流率) |
0.43 W/(㎡・K) ※新築で使われる断熱基準では、「断熱等級6」 又は「HEAT20 G2」に相当します |
C値(相当隙間面積) |
0.60 ㎠/㎡ |
Q値(熱損失係数) |
1.78W/(㎡・K) |
nAC値(冷房期の 平均日射取得率) |
1.1 |
既存建物情報 |
築37年 木造2階建て 伏せ図などの構造図あり |
利用補助金 |
住宅省エネ2025キャンペーン |
★ご要望
築28年の上下完全分離型の2世帯住宅の2階部分にお住まいでした。
家族構成の変化により
- 減築をして老後を見据えた平屋の家が欲しい
- 暑さ寒さの温度差がない生活をしたい
- 子供世帯や孫が呼べる、暮らしやすい間取りにしたい
- 適材適所に収納場所が欲しい
- メンテナンス性を考えたい
- 再利用できる物は使用したい
などのご要望があり
将来を見据えて、安心して暮らせる家を目指して
気密性・断熱性・耐震性を高めて、快適に、安心して、安全に暮らせる家にしたいとのご希望でした。
★ご提案
当初は、以下の3つのパターンで比較検討を進めていらっしゃいました。
- 高耐震・高断熱・高気密住宅への建て替え新築
- 高性能フルリノベーション
- お化粧直しのリフォーム
弊社におきましても、建て替え新築案がありましたが、各種図面類が揃っている事と御予算と工期を加味した上で
2025年施行基準であるの断熱等級6(HEAT20 G2)対応の断熱性能を確保できる
SW工法(スーパーウォール工法)リフォームを採用した高性能フルリノベーションをご提案いたしました。
国からの補助金である「住宅省エネ2025キャンペーン」の補助金も活用して、
既存の土台、柱や梁を活かしご納得いただける間取りのご提案ができました。
★性能
リノベーションでも気密測定を行い性能証明書を発行いたしますので信頼していただけます。
★工事の流れ
既存建物の現状を確認した後、解体を始めます。
リノベーションの場合は、解体しないとわからない部分も多いので、都度確認をしながら作業を進めていきます
解体前は内階段でつながりながらも2階世帯は外階段から出入りをする上下完全分離の2世帯住宅でした
アスベスト含有分の確認検査をした上で近隣への配慮をしながら解体を進めていきます
一見すると一般解体工事のように見えますが、手作業での解体部分も多いため丁寧に作業を進めています
既存の屋根材である瓦は、再利用による葺き直し工事となったので、一度瓦材を下ろし保管します
小屋組みの構造はそのまま利用するため一部解体後はクレーンでおろします
小屋組みを庭に一時仮置きします
2階部分の解体を行います
1階部分のみになったら再度クレーンで小屋組み構造を吊り上げ1階部分に載せます
平屋の構造が完成しました
10年前に行われた隣地の造成工事により家が傾いていることが判明した為ジャッキを使い、屋起こし(やおこし)を行いました
基礎に配筋が入っていることは確認済みなので傾きを直し、筋交い部分にも適切な金物を使用することで耐震面も安心です
厚さ85mmのスーパーウォ―ル壁パネルを使用し、部分的ではなく住宅全体の性能(断熱性と気密性)をあげていきます
屋根の野地板は無垢板としました瓦葺き屋根の場合、通気と湿気対策に有効です
屋根防水下地が終り、いったん下ろした屋根瓦の再利用の時を待ちます
欠けなどで不足していた部分については、一面のみ新たな瓦葺きとし違和感なく仕上げました
壁面にはホウ酸系防蟻防腐塗料を塗布後断熱材であるウレタンボードを納めます
気密性を高める為に断熱材周囲の隙間もしっかりと処理していきます
今回は床のレベル調整が必要であった為基礎断熱ではなく、根太納め+床断熱を採用しています
これから断熱材を入れていきます
床にもネオマフォーム60mm厚を隙間なく施工してきます
この段階で現場では既に一般の現場より暖かく感じます
床の構造用合板の隙間もしっかりとテープ処置を行い全て埋めています
高断熱・高気密の家は、天井点検口にも断熱+気密性を保つためにしっかりと厚みのある断熱材があるタイプの物を使いますので、
点検口とは言え屋根からの熱も防ぎます
もちろん、床下からの隙間もシャットアウトです
天井断熱はブローイング工法(300mm厚)を採用しました
建物の状態によっては他の断熱方法をとることもあります
大量の断熱材が運ばれて来ました。このトラックから直接パイプを通して天井まで送り込みます
雨で濡れる心配もありません
天井点検口を利用して断熱材を入れていきます
フワフワの柔らかい断熱材を厚さ300mmまでしっかりと施工していきます
天井や壁もボードを貼ってしまうと断熱材が入っていることが見ることはできませんが、
電気配線を通す隙間も気密処理を行っています
スーパーウォールリフォーム工法では全棟で気密検査を実施するため
住宅性能がどれだけ上がったか数値で確認することが出来ます
今回の建物の場合
家全体で7.5㎝×7.5㎝の隙間に抑えることが出来ました
C値(相当隙間面積)では、0.60㎠/㎡でした。(新築ではもっと小さな数値で施工出来ていますが)
リノベーションでもここまでの性能をだすことが可能です
施工後の内外装については
「スーパーウォールリフォーム工法で2階建てを平屋に減築 高性能フルリノベーション」
その2 ビフォー&アフター編)でご覧頂けます。